こんにちは、税理士の小野尾です。
今回は【松下幸之助に学ぶ経営哲学】の第5回目です。
私はドラッガーからではなく、日本人である松下幸之助から経営哲学を学んでいます。その想いはこちらに綴っています。
【松下幸之助に学ぶ経営哲学】 ピーター・ドラッガーより松下幸之助
松下幸之助は会社経営は使命観が大切であるといっています。存在意義と言い換えることもできます。
使命観、存在意義と出してしまうと、なんだか難しい感じがしますが、要は「どうしてその会社が必要なのか?」ということをちゃんと考える必要があるということです。
私たちが全く必要としないものをある会社が売っていたとしたらどうでしょうかね。
誰かが興味本位で買うということを除けば、恐らく誰もそれを買うことはないでしょう。このような会社には存在意義がないといえますよね。
会社というのは私たちが必要とするものを提供することに存在意義、存在価値があるということになります。
つまり、会社経営の本来的な使命は、私たちの生活に必要な生活必需品をはじめ、私たちの生活の役に立つサービスや情報を開発し、供給していくことです。
さらに付け加えるならば、それを適正な価格で、過不足なく十分に供給することです。
そもそも自然の理法は生成発展ですので、当然に私たち人間も生成発展を求めていることになります。生活をより豊かで快適なものにしたいと考えるのが人間の姿だということです。
たとえば、友達と話をしたいと思っても、通信手段がなければ、その人に直接会うしか方法がありません。近くにいれば会うことは可能ですが、遠くにいれば会うことは難しくなります。
そこで直接会わなくても友達と話ができるようにするために、電話という通信手段が開発されました。そしてそれはさらに発展して、今では近年ではインターネットという通信手段が開発されています。
このように生活をより豊かで快適なものにしたいという人間の願いに答えていくことが会社経営の根本的な役割、使命になります。
「いや、そうではない、会社は儲けるためにやるものだ」と考える人もいると思います。それは間違いではありませんし、儲けることは当然必要です。
でも、儲けることを目的として会社経営を行うのではありません。儲けはあくまでも結果です。目的は社会に必要なものを提供していくことです。儲けることを考えつつも、会社の使命を考えることが大切なのです。
使命というと、重たく、難しい印象を持ちますが、「社会に必要とされるもののうち何を提供していくか」ということで、見方を変えれば、「社会から必要とされる会社であること」ということです。
私たち税理士という仕事を考えてみた時に、専門家でなければわからない「税法」があるから、私たち税理士の存在意義があるのだなぁと思いました。
会社を存続させるため、目の前の利益を得るために目が向きがちでしょうけど、頭の片隅には「どんな使命観持って会社経営を行っていくか?」ということを置いておきたいものです。
最後に私が教科書にしている本をご紹介します。
実践経営哲学 (PHP文庫)