共存共栄を考えた会社経営をする 【松下幸之助に学ぶ経営哲学8】

こんにちは、税理士の小野尾です。

今回は【松下幸之助に学ぶ経営哲学】の第8回目です。

私はドラッガーからではなく、日本人である松下幸之助から経営哲学を学んでいます。その想いはこちらに綴っています。

ピーター・ドラッガーより松下幸之助【松下幸之助に学ぶ経営哲学】

 

今回は取引先との関係性についてです。

会社の経営活動にはいろいろな関係先があります。

会社は、仕入先や得意先、資金提供してくれる銀行、さらには地域社会など、多くの相手と様々な形で関係を持ちながら、活動を行われています。

会社は社会的公器であるといわれるゆえんです。

ですから、自分の会社だけが発展すればいいのではなく、それによって社会も発展していかなければなりません。

自分の会社だけが発展するというのは一時的にはあり得えたとしても、それでは長続きしないでしょう。 いわゆる共存共栄でなければ、真の発展はあり得ません

生成発展という理法に則り、自然も会社も社会も共に発展していく共存共栄が会社経営のあるべき姿です。

例えば、お客様の要望に答えるためにコストダウンをすることを考えてみましょう。

コストダウンはよくあることで、そのために仕入先に対する値下げ要求をすることもあるでしょう。

その場合であっても、ただ単に値引きさせるのではなく、値引きしたとしても、先方の経営が成り立つように、すなわち、先方にも適正利益が得られるような配慮が必要になるのです。

ですから、仕入先に値下げを要請する場合でも、それによって先方が損をしたのでは困るということをしっかりと先方に伝えたり、場合によっては一緒にコスト削減策を検討することを考えることも必要になります。

購入するという強い立場を利用して、高圧的に値下げを要求するようなことがあっては、先方の経営が成り立たなくなってしまいます。

自分の会社が利益を得られたとしても、別の会社の経営が成り立たなくなるということは、社会全体からみれば損失になり、結果的にその会社も損失を被ることにもなりかねません

自分の会社のことだけを考えた経営活動を行うのではなく、広く社会に目を向け、さらには長く時間軸を捉えることが、共存共栄につながっていくのだと思います。

共存共栄は、言うは易し行うは難し、です。

だからこそ、目先の利益だけを追いかけていくのではなく、共存共栄を考え、広く長い目で利益を考えるという視点も忘れたくないものです。

最後に私が教科書にしている本をご紹介します。
実践経営哲学 (PHP文庫)