こんにちは、税理士の小野尾です。
今回は【松下幸之助に学ぶ経営哲学】の第3回目です。
私はドラッガーからではなく、日本人である松下幸之助から経営哲学を学んでいます。その想いはこちらに綴っています。
【松下幸之助に学ぶ経営哲学】 ピーター・ドラッガーより松下幸之助
松下幸之助は、会社経営には正しい経営理念が必要であり、それには前提があると言っています。経営理念は単にあればいいというものではないのです。
ちゃんとした前提で経営理念を考える必要があるのです。
その前提が何かというと、「自然の理法に即したものである」ということです。
「自然の理法」という聞きなれない言葉が出てきましたね。
でも、ご安心ください。ここでは自然の理法という言葉の意味を詳しく知る必要はありません。自然の理法が何を表すかがわかればそれでいいのです。
では、正しい経営理念に必要な自然の理法が表すものは何か?
それは、「生成発展」ということです。生成発展とは、古いものが滅び、新しいものが生まれるということです。
宇宙はその誕生以来生成発展を続けているといわれています。宇宙が誕生してから、古いものが滅び、新しいものが生まれていると考えられています。
自然や社会、そこに生きる人間も宇宙の中に存在しています。ですから、宇宙そのものが生成発展をしているということは、その中にある自然や社会、人間も同じように生成発展していくものだということになります。
社会や人間も生成発展していくということは、それに応じて必要となるものやサービスも当然に変わってきます。
必要となるものやサービスを提供するのが会社の役割ですから、会社経営を続けていくのであれば、社会の生成発展にあわせてた商品の開発や投資を行っていくことが必要になります。
生成発展していくということは、新しいものが生まれれば、その一方でなくなっていくものもあるということです。つまり、個々のものやサービス、あるいは業種などには一定の寿命があるということになります。
これは、会社経営においても同じことです。それぞれの会社の個々の商品や業種には寿命があります。
ですから、会社経営において、特定のものやサービス、あるいは業種に固執していたのでは、場合によっては社会の生成発展についていけず、会社自体がなくなってしまいます。
会社経営においては生成発展していく先を見据えて、場合によってはそれまでの商品や業種を捨てて、新しい商品や業種に目を向けていく必要があるのです。
自然や社会、人間は絶えず生成発展していて、その中で会社経営を営んでいるという認識がとても大切なのですね。
会社経営の基礎となる経営理念においても、会社経営は生成発展していく、つまり、変化し続ける社会の中で営まれるものであるということ、会社自体も生成発展していくことを前提にすることが必要だということですね。
最後に私が教科書にしている本をご紹介します。
実践経営哲学 (PHP文庫)