こんにちは、税理士の小野尾です。
今回は【松下幸之助に学ぶ経営哲学】の第10回目です。
私はドラッガーからではなく、日本人である松下幸之助から経営哲学を学んでいます。その想いはこちらに綴っています。
ピーター・ドラッガーより松下幸之助【松下幸之助に学ぶ経営哲学】
今回はうまくいかないときにどう考えるか?をご紹介します。
会社に使命があって、社会に貢献していくためには、会社は安定した業績を出し続けなければなりません。
業績が不安定となっていては、会社の使命を果たすことができないばかりではなく、従業員の生活や取引先の経営にも影響が及ぶので、社会にマイナスの影響を与えてしまいます。
そうはいっても、会社経営をしていれば景気や不景気にも影響されますし、場合によっては運によっても左右されてしまうものです。
うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあり、利益が出ることもあれば、損失が出ることもあり、会社が安定した業績を出しつつけるのは難しいというのが会社経営に対する一般的な考え方でしょう。
私もこう考えていました。
でも、松下幸之助はそうではないといっています。
「本来はいかなるときでもうまくいく、いわば百戦して百勝というように考えなければならない」
松下幸之助らしい厳しい考え方ですね。
厳しい考え方ですが、でも、百戦して、必ず百勝しなければならないと言っていないところに注目です。
百戦して百勝しなければならないのではなく、百戦したら百勝できるように考える必要があるということです。
つまり、百戦百勝という「結果」が求められているのではなく、百戦百勝しようという「考え方」が求められている訳ですね。
「結果」ではなく「考え方」です。
百戦百勝という考え方を持たなければ、何かうまくいかないことがあったら、例えば、景気のせいにしたり、お客様のせいにしたり、運のせいにしたりして、反省することがなくなり、失敗の経験が生きてきません。
何かうまくいかなかったときに、自分のやり方に間違いはなかったか、と考えられれば、そこに反省が生じ、同じような失敗は繰り返さなくなってきます。失敗の経験が生きてきます。
同じ失敗にしても、それをどう考えるかによって、経験にもなりますし、単なる失敗にもなります。
考え方次第なのです。
特に不景気のときは、製品やサービスは社会からより厳しい目で見られます。本当にいいものだけが買われるようになります。
ですから、不景気な時こそ真に消費者や需要者に求められる製品やサービスを開発するチャンスなのです。
なので、松下幸之助はこういっているのです。
「好景気よし、不景気さらによし」
不景気だからしょうがないというのでは、会社に発展はありません。不景気だからこそ、求められる製品やサービスを吟味していくことが必要なのです。そうして会社を発展させていくことが必要なのです。
正直「言うは易し、行うは難し」だと思います。
でも、大切なのは結果を出すことではなく、結果が出るように考えることなのです。(もちろん結果を求めなければ結果は出ませんが・・・)
うまくいかないときに、それを景気のせいにするのか、運のせいにするのか、反省の材料にするのか、経営者次第ですね。
私も自分自身に置き換えながら、考えていこうと思います。
最後に私が教科書にしている本をご紹介します。
実践経営哲学 (PHP文庫)