こんにちは、税理士の小野尾です。
今回は【松下幸之助に学ぶ経営哲学】の第12回目です。
私はドラッガーからではなく、日本人である松下幸之助から経営哲学を学んでいます。その想いはこちら↓に綴っています。
ピーター・ドラッガーより松下幸之助【松下幸之助に学ぶ経営哲学】
今回は適正経営という考え方をご紹介します。
人の能力は人それぞれですから、誰でもなんでもできるわけではありません。限界があります。
自分の経営能力や会社の力を超えた事業をしていこうとしても、最初はうまくいっても、やがては失敗に終わってしまいます。
最初はうまくいっていたのに、会社が成長していくにつれ成果があがらなくなってくる会社もあれば。逆に、会社が成長していくにつれ成果もあがっていく会社もあります。
成長して、成果が上がる会社と成果が上がらない会社の違いがどこにあるのか?
どうすれば会社が成長しても成果が上げるかについて、松下幸之助はこういっています。
「思い切ってその商売を二つなら二つに分け、もとの経営者の人はその一つを見て、もう一方は然るべき幹部を選んで全面的に経営を任せるというようにすると、その二つともが順調に発展していくようになることが多い。」
もちろん人によって能力は異なってきますし、その能力は経験によって成長していくこともありますので、経営を分ける基準として、人数が何人になったらとか、売上がいくらになったらとか、具体的なものはありません。
ケースバイケースで、適正だと思うところで二つに分ければいいのです。
そのためには、経営者が自分自身の経営力を適切に把握していなければなりません。
そして、経営を任せる幹部の経営力も適切に把握する必要があります。それだけではなく、資金力や営業力、商品開発力など会社の総合力も適切に把握する必要があります。
その範囲の中で経営を行い、会社を発展させていくのです。
無理をしないで、自分の力の範囲で会社を伸ばしていくのです。
これが適正経営です。
高い目標や理想を掲げて会社を成長させるものいいですが、しっかりと現実を見据えることも忘れてはいけないということですね。
最後に私が教科書にしている本をご紹介します。
実践経営哲学 (PHP文庫)