こんにちは、税理士の小野尾です。
今回は【松下幸之助に学ぶ経営哲学】の第14回目です。
私はドラッガーからではなく、日本人である松下幸之助から経営哲学を学んでいます。その想いはこちら↓に綴っています。
ピーター・ドラッガーより松下幸之助【松下幸之助に学ぶ経営哲学】
今回は「会社経営は人づくり」という考え方をご紹介します。
会社経営では、経営戦略や組織を考えることは大切なことです。しかし、それを活かすのは結局「人」です。
どんなにしっかりとした経営戦略を作り上げても、素晴らしい組織を構築したとしても、それを活かす人を得なければ、成果を出すことはできないでしょう。
それでは、会社の使命を果たすことができません。
ですから、会社経営においては、何よりも人を求め、人を育てて行かなくてはなりません。
松下幸之助は、まだ会社が小さいときに従業員にこんなことを言っていたそうです。
「お得意先に行って、『君のところは何を作っているのか』と尋ねられたら、『松下電器は人をつくっています。電気製品もつくっていますが、その前にまず人をつくっているのです』と答えなさい」
松下幸之助はそれだけ人づくりを大切に考えていたということです。
では、どのようにすれば人が育つのでしょうか?
松下幸之助はこういっています。
「”この企業は何のためにあるのか、またどのように経営していくのか”という基本の考え方、いいかえればこれまで述べてきたような正しい経営理念、使命というものを、その企業としてしっかりともつことである。」
会社としての基本的な考え方や方針がはっきりしていれば、経営者や管理職が、それに基づいて指導もできるし、それぞれの人もそれに従って判断できるようになります。
そういうものがないと、その時々の事情によって考え方が変わったり、感情に流されたりして、いうことやすることに一貫性を保てなくなります。
これでは人は育ちません。
経営者として人を得たいと考えるならば、まずは経営者自身がしっかりとした使命観や経営理念を持つことが大切なのです。
更に大切なのは、従業員に対して、しっかりと伝えることです。
一度言っただけでは、従業員も理解できないでしょうから、機会があるごとに繰り返し伝えることがポイントです。
また、伝えるだけではなく経営者自らが実践しなければなりません。
従業員は経営者のことをよく見ています。口でいうだけで行動しなければ、従業員は経営者の言ったことを信用することができなくなります。
経営理念は繰り返し伝え、行動で示さなければ、従業員には浸透しないのです。
人を育てるためには、まずは、しっかりとした経営理念を持ち、そして、繰り返し伝え、経営者自らが行動で示すことで、従業員に浸透させることが必要なのです。
最後に私が教科書にしている本をご紹介します。
実践経営哲学 (PHP文庫)